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内視鏡検査

内視鏡検査とは、細い管状のカメラを口や鼻、あるいは肛門から消化管内に挿入し、食道・胃・十二指腸・大腸の粘膜を直接観察する検査です。消化器内科で行われる代表的な内視鏡検査には、胃カメラ(上部消化管内視鏡検査)と大腸カメラ(下部消化管内視鏡検査)があります。

X線検査やCTなどと比較して、粘膜の細かな変化を直接観察できることが大きな特徴であり、特に消化器がんの早期発見に有用とされています。また、観察だけでなく必要に応じて組織採取(生検)やポリープ切除を同時に行える点も、内視鏡検査の重要な特徴です。

近年では機器の性能向上や技術の進歩により、検査時間も比較的短くなっており、胃カメラでは10分前後、大腸カメラでは15〜30分程度で終了することが一般的です。内視鏡検査に不安を感じる方も少なくありませんが、検査の目的や流れを理解することで安心して受けやすくなります。

どんな症状のときに内視鏡検査を受けるべきか?

消化器の病気は、症状が出てから進行していることも少なくありません。特に胃がんや大腸がん、食道がんなどは初期段階では自覚症状が乏しいことが多く、早期発見のためには症状の有無だけで判断しないことが大切です。

胃カメラが必要なサイン

胃の不快感やみぞおちの痛み、胸やけ、げっぷ、呑酸などの症状が続く場合には、胃カメラによる精密検査が検討されます。これらの症状の背景には、ヘリコバクター・ピロリ感染による胃炎、逆流性食道炎、胃潰瘍、慢性胃炎などが関係している場合があります。

健診でピロリ菌感染を指摘された方や、ご家族に胃がんの既往がある方も、症状がなくても一度検査を受けることが勧められます。

大腸カメラが必要なサイン

便に血が混じる、便秘と下痢を繰り返す、便が細くなった、便潜血検査で陽性を指摘されたといった変化は、大腸カメラを検討するきっかけになります。

大腸がんは初期に症状がほとんど現れないことがあるため、排便習慣の小さな変化を見逃さず、早めに精密検査を受けることが重要です。

症状がなくても受けるべき方

内視鏡検査は症状がある方だけのものではありません。定期的な検査によって、胃や大腸のポリープ、早期がんなどを発見できることがあります。早い段階で見つかれば、外科手術を行わず内視鏡治療のみで対応できる場合もあり、身体への負担を抑えやすくなります。

内視鏡検査の種類と目的の基本ルール

内視鏡検査には観察する部位によって種類があり、それぞれ目的が異なります。症状や健診結果に応じて適切な検査を選択することが大切です。

胃カメラ(上部消化管内視鏡検査)の目的

胃カメラでは胃だけでなく、食道から十二指腸の一部まで観察することが可能です。主な目的はがんの早期発見ですが、そのほかにも症状の原因検索や炎症の程度確認、腫瘍の良悪性判断などに用いられます。

バリウム検査では見つけにくい、ごく早期の胃がんも、内視鏡では発見できることがあります。早期に見つかった病変では、開腹手術を行わずに内視鏡治療で完結する場合があります。

大腸カメラ(下部消化管内視鏡検査)の目的

大腸カメラは肛門から内視鏡を挿入し、直腸から盲腸まで大腸全体を観察する検査です。高精細な映像によって、粘膜の異常を直接確認できます。

大腸がん・ポリープの診断

大腸がんや大腸ポリープは、早期には自覚症状がないことも多く、検査によって初めて見つかることがあります。小さなポリープであれば、その場で切除できる場合があります。

炎症性腸疾患の診断

潰瘍性大腸炎やクローン病などの慢性的な腸の炎症性疾患の診断にも役立ちます。下痢や腹痛が続く場合には重要な検査となります。

検査の頻度の目安

過去に大腸ポリープを切除した方は、一定期間ごとの再検査が勧められています。一般的には3年程度が目安ですが、ポリープの数や大きさ、病理結果によっては1年後の再検査が推奨されることもあります。

大腸内視鏡検査の前処置・当日の流れ

大腸カメラでは、検査前の準備が非常に重要です。腸内が十分にきれいな状態でなければ、小さな病変を見逃す可能性があるためです。

前日の準備

検査前日は、消化の良い食事を摂り、繊維の多い食品は控えることが一般的です。夜以降は絶食となる場合が多く、水やお茶など透明な飲み物は摂取できることがあります。

当日の前処置

検査当日は腸管洗浄液を服用し、大腸内を洗浄します。排泄物が透明な状態になるまで続けることで、検査が可能になります。

腸管洗浄剤には複数の種類があり、服用量や飲みやすさに違いがあります。体調や既往症によって適した種類が異なるため、事前に医師と相談することが大切です。

服薬中の方への注意点

血液を固まりにくくする薬を服用している方は、ポリープ切除の可能性を考慮し、休薬調整が必要になる場合があります。自己判断せず、必ず事前に相談してください。

内視鏡検査当日の注意点

検査を安全に受けるためには、当日の過ごし方にも注意が必要です。

検査前の過ごし方

胃カメラでは前日夜から食事制限があり、当日朝は絶食となることが一般的です。服薬中の薬がある場合は、内容によって対応が異なるため事前確認が必要です。

検査中の過ごし方

胃カメラでは、経口・経鼻いずれの方法でも医師の指示に従ってリラックスすることが大切です。大腸カメラでは腸内に空気やガスを入れるため、お腹の張りを感じることがあります。

検査後の過ごし方

生検やポリープ切除を行った場合は、一定期間食事制限が必要になることがあります。また、鎮静剤を使用した場合には、検査後しばらく安静が必要です。

「苦しそうで怖い」を解決する内視鏡検査の対処法

内視鏡検査に不安を感じる方は少なくありませんが、近年は苦痛軽減の工夫が進んでいます。

胃カメラの苦痛を減らす工夫

鼻から挿入する経鼻内視鏡は、嘔吐反射が少なく比較的負担が軽いとされています。一方で、詳細な観察が必要な場合には口から挿入する方法が選ばれることもあります。

大腸カメラの苦痛を減らす工夫

大腸の形には個人差がありますが、機器の改良や挿入技術の向上によって、以前より苦痛は軽減されています。

鎮静剤について

希望に応じて鎮静剤を使用することで、眠ったような状態で検査を受けられる場合があります。検査後はふらつきが残ることがあるため、当日の運転は控える必要があります。

実際の患者さんの事例

内視鏡検査は、症状が軽いうちに受けることで早期発見につながることがあります。

事例①:便潜血陽性をきっかけに発見

健診で便潜血陽性を指摘された方が大腸カメラを受けたところ、小さなポリープが複数見つかり、その場で切除できたケースがあります。症状がなくても健診結果をきっかけに受診することは重要です。

事例②:胃の不快感からピロリ菌感染が判明

胃もたれや胸やけが続いていた方が胃カメラを受け、ピロリ菌感染に伴う萎縮性胃炎が判明することがあります。原因が分かることで適切な治療につながります。

早期回復と重症化を防ぐために

内視鏡検査は、消化器疾患の早期発見・早期治療において非常に重要な役割を担っています。特に胃がんや大腸がんは、初期段階で症状が乏しいため、症状がなくても定期的な検査を検討することが大切です。

40歳を過ぎると消化器疾患のリスクが高まる傾向があり、健診結果や体調の変化に応じて適切な検査を受けることが健康維持につながります。少しでも気になる症状がある場合には、早めに消化器内科へ相談することが望まれます。


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